Success Stories導入事例

データドリブンな組織を作り、顧客への提供価値も向上させる。データ分析人財を育成するための研修を実施

三井住友海上火災保険株式会社
三井住友海上火災保険株式会社
ビッグデータや最新の分析アルゴリズムを活用することで、企業の抱えるリスクを可視化・最適化し、課題解決を図るサービス「RisTech(リステック)」を提供するなど、データ分析に力を入れている三井住友海上火災保険株式会社。クライアントに価値提供をするにあたり、自社においてもデータドリブンな組織基盤を確保するべく、データ分析のできる社内人財の育成に着手。2021年度から「Tableauデータ分析研修」を受講いただいています。今回は、同社でRisTechの企画運営と人財育成を担当されている狩野充弘様に、研修を実施するに至った背景や受講後の成果、今後の展望についてお伺いしました。

狩野充弘(かりの・みちひろ)様プロフィール
2007年、三井住友海上火災保険株式会社に入社。経理関係の部署で国際会計基準導入などを担当したのち、デジタル戦略部に異動(現所属はビジネスイノベーション部)。現在はRisTechの運営やデータ分析人財の育成に取り組む。上席スペシャリスト(データサイエンティスト)。
目的
  • 社内でデータサイエンティスト以外にも広くデータ分析人財を育成し、データドリブンな組織の構築に繋げたい
課題
  • データ分析初学者向けの施策が不足
効果
  • 中期経営計画で定めたデータ分析人財・データサイエンティストの人数目標達成への道筋が見えた
  • Tableauを用いた研修により、データ分析未経験者でも分析レポートを形にできた
  • オーダーメイドで自社データを活用した研修を設計したことで、研修の効果と満足度がともに高かった

データドリブンを社内外で推進するために

貴社は保険契約に紐付くデータを中心に豊富なデータをお持ちだと思いますが、データ分析に関して、貴社ではどのように考えていたのでしょうか。

当社では2019年5月よりRisTechというサービスを開始しました。RisTechは「Risk」と「Technology」を掛け合わせた造語で、リスクに関する知見や業界知識・最新技術のノウハウをもとにビッグデータ分析を活用し、企業の課題解決を図るサービスとしてスタートしましたが、2020年9月よりサービス範囲を拡大し、社会や地域の課題解決にも資するサービスやソリューションの開発、提供を進めています。RisTechを利用してくださるお客さまが増えてきているので、よりよいサービスを提供できるよう体制を整えていきたいと考えていました。また、社内に目を向ければ、データ分析を切り口にしてDXを推進し、データドリブンな組織へと変革していきたいという思いを持っていました。つまり、お客さまの課題解決と自社のDXという両面を意識していたことになります。

私は現在RisTechを運営する立場ですが、プロジェクトマネジメントに取り組む中で、社内にデータ分析に取り組める人財が不足していることに問題意識を持つようになりました。しかし、データサイエンティストの採用は難しい状況です。また、リスクや保険のことを分かっている人財であれば、お客さまへの提案に説得力が持たせることができます。データ分析をしたあとに提案をすることまで考えると、リスクや保険の知識がある人、つまり社内の人財にスキルを身につけてもらうべきだと判断しました。

昨年度よりデータ分析に関する研修に取り組まれていますが、対象者には営業部門や保険金支払部門の社員など、いわゆるデータサイエンティストでは無い方々が含まれています。

データドリブンな意思決定をしていくためには、部署やポジションに関係なく、データへの向き合い方やデータを取り扱う知識を広く浸透させる必要があると考えています。また、RisTechでお客さまのデータ活用をサポートしているのだから、私たちの社内の様々な場所でもそうしていくべき。そのような考えのもと、各施策を進めています。

中期経営計画の人数目標達成に向けて

データ分析人財の育成プランの全体像や目標に対する進捗を教えてください。

2022年4月から始まった4年間の新しい中期経営計画における人数目標の達成に向け、社内でデータ分析人財の認定制度を運営し、基準を満たした社員の方を認定しています。最初はエントリークラスから始まりますが、そのクラスでは、ご協力いただいたTableauを用いた研修などを受けて、設定した課題をクリアできれば認定となります。その次がアプレンティスと呼んでいる段階で、実務でデータ分析を経験しているレベルです。データサイエンティスト協会のDS検定(データサイエンティスト検定 リテラシーレベル)に合格することも要件になっています。そして、その上がマスター、つまりデータサイエンティストです。複数の実案件を経験していて、ビジネス上の課題解決に向けたデータ分析を独力で進められるレベルの方をマスターとして認定しています。

現在、様々なレベルを対象とした施策を運営していますが、裾野を広げることも重要なので、エントリークラスの認定向け研修も注力しています。

自社データを活用したオーダーメイドの研修が導入の決め手

今回の「Tableauデータ分析研修」の企画にあたって、狙いや注意した点はどんな点でしょうか。

データの活用において、データの可視化を1つの重要なスキルとして捉えています。特に、これからデータ分析について学んでいくエントリークラスにおいては、データの可視化によって問題や解決策の発見に繋げていく体験をしてほしいと思っていました。実際、研修に参加したのはTableauを一度も触ったことのない方がほとんどでした。

研修の内容としては、5日間の研修期間中に、ワークの発表をする機会を2回設けました。ワークでは、自動車保険や事故データなど自社の生のデータを使い、社内の業務に結びつく、具体的な内容を扱っています。具体的に業務がイメージできること、自社の課題に直結するワークというのがポイントで、研修の効果と満足度を共に高めてくれます。ワークでお互いの発表を聞く際にも真剣に聞くことに繋がり、「自分には思いつかない切り口だった」などの感想が多く出てきています。他の方のデータ分析の発表を聞いて気づきが生まれる点も研修としてとても有意義だったと思います。

このような実践的なワークにしている理由は、ビジネス力が大事だと考えているからです。データを分析すること自体に価値があるのではなく、何か課題があったときに、データ分析を活用して解決につなげることに価値があります。自社業界の知見をもとにデータを集めるところからデザインし、分析する。そして提案や課題解決まで持っていける力を育成できるように研修を企画しています。

スキルアップAIを研修パートナーとして選んでいただいた決め手はどこにありますか。

DS検定を社内認定制度に組み込んだタイミングで、スキルアップAIの検定対策コンテンツを社内に紹介しました。その際にコンテンツの質の高さを知っていたことに加え、今回は当社に特化した、カスタマイズされた内容の研修を用意いただきました。こちらの多くの希望や要件に対しても応えていただき、研修目的に沿ったオーダーメイドの研修を実現できました。主に、当社のデータを使って研修を企画してくださったことと、当社の環境で研修コンテンツを提供いただけたことが助かった点です。

今後については、裾野を広げる今回のような研修を継続するとともに、新しいコンテンツの検討も進めています。1つの例として、データ分析事例を多く学べるe-learningコンテンツがあります。実際のビジネス課題に対してどのようにデータ分析で解決に取り組んだのかという事例を多く知ることが重要だと考えており、事例を多く知っていると、自分が課題に直面した際に、事例をもとに検討できるので、アイデアのストックを持って対応・判断できるようになります。

中期経営計画の人数目標を達成し、データドリブンな会社に進化させるために今後も取り組んでいきたいと考えています。

三井住友海上火災保険株式会社

事業内容 :
1.損害保険業
 ・保険引受
 ・資産の運用
2.他の保険会社の保険業に係る業務の代理または事務の代行
3.債務の保証
4.確定拠出年金の運営管理業務
5.自動車損害賠償保障事業委託業務
企業規模 :
5,000名以上

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