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個人向けのリスキリングを支援する補助金とは?対象となる講座も合わせて紹介
「リスキリングを考えているが講座の費用が高い」「補助金制度があるって聞いたけど、何を利用できるのかわからない」
個人でのリスキリングを目指している方は、きっとこのような疑問があるのではないでしょうか。
この記事では、個人向けのリスキリングを支援する補助金制度を5つ挙げて、その受給条件や対象講座についてわかりやすく解説していきます。最後には、リスキリングをするメリットやおすすめの事業者についても紹介しているので、ぜひご一読ください。
そもそもリスキリングとは?
リスキリングとは、業務において必要な新しいスキルや知識を身につけることです。
近年、ビジネスを取り巻く環境は大きく変化しており、求められるスキルや知識も変化しています。中でも、AIやデータ分析などの領域は需要が増しており、それらを扱える人材をリスキリングで育成することが求められているのです。
リスキリングについては以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
個人向けのリスキリング支援が拡充されている背景
個人のリスキリングを後押しするために、政府はさまざまな支援を行っています。その大きな理由の一つとして、構造的な賃上げを目指していることが挙げられます。
日本では特に、IT分野などの高度なスキルを必要とする職業で人材不足が問題になっており、労働者が実務的なスキルを身につけることが求められています。もしリスキリングによって先端領域で活躍する労働者が増えれば、生産性が大きく向上し、結果として構造的な賃上げが期待されているのです。
このような背景から、政府は2022年に今後5年間で合計1兆円を個人のリスキリング支援に投資することを発表しました。企業だけでなくリスキリングを目指す個人も利用しやすいように、個人向けのリスキリング支援も拡充されています。
【個人向け】リスキリングを支援する補助金一覧
個人向けのリスキリングを支援する補助金として、以下の5つを紹介していきます。
- リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業
- 教育訓練給付制度
- 求職者支援制度
- 母子(父子)家庭自立支援給付金
- 【東京都】短期集中型資格取得支援訓練
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業は、転職希望者の「キャリア相談」「リスキリング」「転職」までを一貫して支援する事業です。経済産業省によって認定された各事業者で、本支援を受けられます。
この事業では、「キャリア相談」と「転職支援」は無料で提供されます。一方で「リスキリング」は講座を受講するにあたって費用が発生しますが、この費用の一部を補助してもらえるのです。
最大で受講費用(税別)の70%(上限56万円)がキャッシュバックされるので、講座の受講料が高額で困っている方でも、受けやすくなるでしょう。費用を抑えたうえでリスキリングを通じた転職をしたいと考えている方には、非常におすすめの支援事業です。
補助額
補助金は、2段階に分かれて給付されます。最初は、講座の受講が修了したタイミングです。受講費用(税別)の50%相当額(上限40万円)が補助されます。
そして、リスキリング講座の受講を経て実際に転職し、その後1年間継続的に転職先に就業すると、追加で講座の受講費用(税別)の20%相当額(上限16万円)を受け取れます。
対象者
対象者は、事業者のサービスへの登録時とキャリア相談の最初の面談時に、転職を目指している方です。つまり、それらのタイミングで在職者である必要があります。
具体的には、正社員や契約・派遣社員、パートやアルバイトの方が対象です。対して、企業と雇用契約がない経営者、取締役、役員、業務委託、フリーランスは対象外となります。
対象となる講座
対象となる講座は、経済産業省が認定した事業者の講座です。認定事業者が提供している講座は、データ分析やプログラミング、デザインなどの転職につながりやすい講座がメインとなります。
例えば、スキルアップAIは経済産業省認定の事業者であり、AI、GX、データサイエンス、クラウドなどの先端領域における講座を多数ご用意しています。具体的には、以下のようなコースがあります。
- GXリテラシー習得コース
- 「気象データアナリスト」コース
- 3大クラウド機械学習サービス習得コース
- 「ディープラーニング基礎」コース
- 統計分析習得コース
ほかにも人気なコースが多々あるので、先端領域でのキャリアアップを目指している方は、ぜひご検討ください。
また、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業については以下の記事でも紹介しているので、合わせて参考にしてみてください。
教育訓練給付制度
教育訓練給付制度は、リスキリングやキャリアチェンジを目的として教育訓練を受けた場合に、その費用の一部が支給される制度です。教育訓練は、厚生労働省が指定したものが対象となっています。
教育訓練給付制度には、以下の3種類があります。
- 専門実践教育訓練:労働者の中長期的キャリア形成に資するもの
- 特定一般教育訓練:労働者の速やかな再就職および早期のキャリア形成に資するもの
- 一般教育訓練:そのほかの雇用の安定・就職の促進に資するもの
それぞれ補助額や対象となる講座が異なります。幅広い講座や大学が対象となっているので、どなたでも利用しやすいのが特徴です。
補助額
補助額は、教育訓練の種類によって異なります。具体的には、以下の通りです。
- 専門実践教育訓練:最大で受講費用の70%(年間上限56万円)
- 特定一般教育訓練:受講費用の40%(上限20万円)
- 一般教育訓練:受講費用の20%(上限10万円)
対象者
教育訓練給付制度の対象となるのは、雇用保険に1年以上(専門実践教育訓練を受講する場合は2年以上)加入している方です。会社員以外にも、週に20時間以上働いているパート・アルバイトの方も対象になります。
対象となる講座
対象となる講座は、厚生労働省が指定した講座です。教育訓練の種類ごとの代表的な講座は、次の通りです。
- 専門実践教育訓練:専門職大学院・専門学校や第四次産業革命スキルを習得するための講座(AI、データサイエンス、セキュリティ)など
- 特定一般教育訓練:税理士・社会保険労務士・IT資格などの試験を取得するための講座など
- 一般教育訓練:中小企業診断士・TOEIC・日商簿記などの試験を取得するための講座や大学院など
求職者支援制度
求職者支援制度は、再就職や転職を目的とした方が無料で職業訓練を受けられる制度です。さらに、一定の条件を満たしていれば、月10万円の受給とハローワークによる就職サポートを受けられます。
訓練期間は2〜6か月となっており、全国のハローワークで申請が可能です。無料で職業訓練を受けられるので、まずは就職したい、スキルを身につけたいという方におすすめの支援です。
補助額
職業訓練の費用は無料です。さらに、一定の条件を満たすと毎月10万円の給付を受けられます。給付金を受け取る条件は、以下の通りです。
- 本人収入が月8万円以下
- 世帯全体の収入が月30万円以下
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
- 訓練実施日全てに出席する(やむを得ない理由により欠席し、証明できる場合(育児・介護を行う者や求職者支援訓練の基礎コースを受講する者については証明ができない場合を含める)であっても、8割以上出席する。)
- 世帯の中で同時にこの給付金を受給して訓練を受けている者がいない
- 過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けていない
- 過去6年以内に、職業訓練受講給付金の支給を受けていない
対象者
給付金の対象者は上述した通りであり、訓練を受ける条件は以下の通りです。
- ハローワークに求職の申込みをしている
- 雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でない
- 労働の意思と能力がある
- 職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めた
つまり、現在企業に雇用されておらず、再就職や転職を目指している方が広く対象となります。
対象となる講座
対象講座は幅広いジャンルで用意されています。例えば、基礎的なパソコンスキルやITスキル、医療事務やデザインを身につけられるコースなどがあります。中には託児サービスを利用できる訓練コースもあるので、お近くのハローワークで参加できるコースを確認してみましょう。
母子(父子)家庭自立支援給付金
母子(父子)家庭自立支援給付金は、母子家庭の母または父子家庭の父向けに、対象の訓練講座を受講した場合の費用の60%(上限は160万円)が支給される制度です。
こども家庭庁が行っている事業であり、経済的な自立を支援することを目的として開始されました。対象となる講座は、主に教育訓練給付制度の対象講座です。
補助額
補助額は、教育訓練の種類によって異なります。具体的には、以下の通りです。
- 一般教育訓練または特定一般教育訓練:最大20万円
- 専門実践教育訓練:修学年数×40万円、最大160万円
対象者
母子(父子)家庭自立支援給付金の対象者は、以下の条件を満たす方となっています。
- 母子家庭の母または父子家庭の父である
- 児童(20歳に満たない者)を扶養している
- 児童扶養手当の支給を受けているまたは同等の所得水準にある
- 就業経験、技能、資格の取得状況や労働市場の状況などから判断して、当該教育訓練が適職に就くために必要である
対象となる講座
対象となるのは、教育訓練給付制度の対象となっている講座と、都道府県が対象としている講座です。さまざまな講座が対象となっているので、身につけたいスキルに応じて最適なものを選びましょう。
【東京都】短期集中型資格取得支援訓練
東京都が実施する短期集中型資格取得支援訓練は、短期間で成長産業分野などに関連する資格を取得し、早期の再就職を支援する事業です。eラーニングによる学習と、宿泊をともなう試験直前期の集合型講習を組み合わせており、短期間で資格取得を目指せるのが魅力です。
補助額
授業料・テキスト代・宿泊代はすべて無料です。ただし、定員が決まっており、上限に達すると参加できない可能性があります。
対象者
本支援の対象者は、以下を満たす方となっています。
- 都内在住で求職中もしくは在勤の非正規雇用
- 資格取得に向けた意思があり、eラーニングをすべて受講した上で、集合型講習に全日参加が可能
- 訓練修了後、東京しごとセンターを利用して就職活動を行う意思がある
申請する際は、東京都の「東京しごとセンター」で利用者登録をする必要があります。
対象となる講座
対象となるのは、成長産業分野などに関連する資格を取得するための講座です。具体的な資格としては、ITパスポートや3級ファイナンシャル・プランニング技能検定、宅地建物取引士などが挙げられます。
なお、企業向けのリスキリングを支援する補助金については、以下の記事で紹介しています。こちらもぜひチェックしてみてください。
個人がリスキリングに取り組む4つのメリット
個人がリスキリングに取り組むメリットは、以下の4つです。
- 需要の高いスキルを身につけられる
- 社内での仕事の幅を広げられる
- 市場価値が高まりキャリアアップ転職ができる
- 補助金を活用すれば金銭的な負担を軽減できる
それぞれのメリットについて具体的に紹介していきます。
需要の高いスキルを身につけられる
個人が先端領域のリスキリングに取り組むことで、需要の高いスキルを獲得することができます。例えば、データ分析やプログラミングなどを扱えるIT人材や、グリーンエネルギーに詳しいGX人材などは需要が高く、市場価値が高いです。
先端領域のスキルを身につけることで、現在の業務において、新しいアイデアが生まれるかもしれません。また、社内での昇進や転職においても当然有利になります。
社内での仕事の幅を広げられる
個人でリスキリングに取り組むメリットとして、社内での仕事の幅を広げられることも挙げられます。
例えば、これまで営業をしていた方がデータ分析関連の資格を取得すれば、自身の職務範囲が拡大し、ほかの部署やプロジェクトに参加する機会が増えます。マーケティングへの異動を希望している場合、実現する可能性も高くなります。資格を取得することで、スキルがあることの証明だけではなく、その熱意を伝えることにもつながるでしょう。
また、仕事の幅を広げて活躍することで、社内での昇進・昇格にも大きく影響するはずです。
市場価値が高まりキャリアアップ転職ができる
個人でリスキリングに取り組むことで、市場価値が高まり、キャリアアップ転職も目指せます。もしこれまでと異なる業界や職種に転職する場合、資格を取得していると、希望を叶えやすくなるでしょう。
特に先端領域は市場が拡大しているものの扱える人材が不足しており、慢性的な人手不足が課題です。きちんとスキルを身につければ、キャリアップ転職を実現することも夢でありません。
転職してキャリアアップする具体的な方法やおすすめのサービスは以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
補助金を活用すれば金銭的な負担を軽減できる
ここまで紹介してきた通り、個人がリスキリングする上で活用できる補助金にはいくつかの種類があります。例えば、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業を活用すれば、受講費用は最大70%もキャッシュバックされます。
スキルを身につけたいけど、なかなか受講費用を用意するのが難しいという方にとっても、補助金を活用すれば、そのハードルは低くなります。補助金を上手く活用して、リスキリングを実践していきましょう。
AI/DX領域におけるリスキリングならスキルアップAIがおすすめ
この記事では、個人でのリスキリングにおすすめの補助金や個人でリスキリングをするメリットなどを解説しました。リスキリングをする際に利用できる補助金・助成金はいくつかあるので、状況や目的に応じて、最適なものを選ぶようにしましょう。
なお、AIやDXなどの先端領域におけるリスキリングを目指している方には、スキルアップAIの「リスキリング・キャリアアップ転職支援事業」の利用がおすすめです。スキルアップAIは、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業に参加しており、キャリア相談からリスキリング講座の受講、転職支援までを一貫して支援しています。
受講料は最大70%キャッシュバックされるので、これまではなかなか高くて受けられなかったという方も、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。
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