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Success Stories導入事例

社会インフラの持続的な整備のため、業界を巻き込むインパクトのあるAI活用推進体制を作りたい。

八千代エンジニヤリング株式会社
不動産・建設
八千代エンジニヤリング株式会社
500〜5,000名未満 / エンジニア / 営業 / 管理職 / G検定
1. 土木、建築、機械、電気設備等に関する計画、調査、設計、評価、施工、
 工事・事業監理および技術協力
2. 環境、地質・土質に関する調査、計測、分析、評価、保全計画および技術協力
3. 公共ならびに民間施設等に関する企画、建設、維持管理および運営
4. 通信機器、電子機器、コンピューターおよびそれらの関連・周辺機器、
 ソフトウェアならびにシステムの開発、設計、販売、賃貸および保守
5. 工業所有権の取得、実施許諾及び販売
6. 発電およびエネルギー供給事業
7. 測量業
8. 計量証明事業
9. 労働者派遣事業
10. 前各号に附帯する一切の事業
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八千代エンジニヤリング株式会社

クライアントのAI活用を推進するためのAI基礎知識研修を実施

研修前の課題・背景

業界全体のデジタル化の遅れ

クライアントのAI活用を推進できる体制づくり

AI活用に向けた共通認識の必要性

研修後の効果

AIに関する基本的な理解の向上

実務に活かせるスキルの習得

社内のAI活用に対する関心の高まり

研修のポイント

  • AIができること・できないことを学ぶ
  • 実データを用いた実践的なワーク
  • 基礎から応用までの包括的なカリキュラム
  • 対象者

    全社のマネジャークラス、プロジェクトリーダー、営業職やコーポレート部門の社員

クライアントのAI活用を推進できる体制作りが必要

― 御社や土木建設業界を取り巻くデジタル化やAI活用の状況ついて教えてください

藤井様:

まず、土木・建設業界全体の課題としてデジタル化の遅れが挙げられます。私が所属する技術創発研究所は、業界のデジタル化を牽引していくことを視野に入れ、4年前に立ち上げられたものです。

これまで当社では官公庁を主要なクライアントとして事業を展開してきましたが、官公庁事業で培った技術を民間事業に拡大・展開していく長期経営方針(2018-2027)が策定されました。技術創発研究所AI解析研究室では、官公庁・民間問わず技術の横展開の知見を蓄積しながら、AI技術を高めていくことに取り組んでいます。

これまでの成果から印象的なものを一つ挙げるとしたら、交通量調査のツール「TRAVIC」が挙げられます。交差点などで計測者が手動で数えて調査している印象があると思いますが、TRAVICを利用すれば、動画を撮るだけで車種区分に対応した交通量の台数を自動カウントできます。

類似サービスはCCTVカメラで上から撮影するものが多く、車種までしか計測できないのがネックなのですが、TRAVICは路肩に置いて使うものなので、交通流動解析に必要なナンバープレートも撮れるのが特徴ですね。国交省からも2021年9月に「全国道路・街路交通情勢調査においてAIで解析する手法を導入し、国交省が担当する区間においては人手による観測を廃止する」方針が出されていますが、TRAVICはそれにも対応可能です。

しかし、全社的に見ればまだまだデジタルに強い組織とは言い難い状況でした。AIを含めた先端技術に強いエンジニアも育成しなければならないと考えていますが、まずはコンサルティングができる体制を作ることを目指すため、ベースアップの研修を開くことを企画しました。

片山様:

私が所属している技術管理部は、技術者の育成や技術向上をサポートするのが役割です。今回、AIの研修をやろうという提案は技術創発研究所から上がってきたのですが、せっかくなら全社的にやろうということで、全社研修を企画することになりました。

AIができること・できないことを学べる研修を

藤井様:

土木建設業界のデジタル化の遅れについては、現場が屋外だということが1番大きい影響だと認識しています。医療や製造業など、既にデジタル化やAI活用が進んでいる業界は、きれいなデータを用意しやすい。AIが出る前から古典的なアルゴリズムで処理の自動化やデータの蓄積を行ってきている業界ですから、処理内容をAIに置き換えることで、現場に実装できます。

一方、自然環境を相手にしている土木建設業界のデータはノイズが大きく、いわゆるダーティデータが生まれやすい。まずは業務のやり方をデジタル化で変え、適切なデータを取れるようにするといった共通認識を作らなければなりません。

そのため、今回、研修設計において重視したのは「AIができること、できないことを理解してもらう」ことです。スキルアップAIとの事前打ち合わせで、この目標を十分に達成できると判断し、迷わず導入を決めました。実は私の所属する技術創発研究所のみ、以前別のハイレベルの講座を受講していて、その内容が良かったため、基礎レベルの研修についても安心して導入できました。

社内募集したところ想定人数を上回る応募を受け、高い関心を認識

― 受講者の選定はどのように行われたのでしょうか

片山様:

全社的に声をかけ、受講者を100人募ったところ、予想を上回る応募がありました。部署や役職関係なく応募があったことから、当社内においてAIに対する関心がとても高いことがわかりました。受講者選定にあたっては、今回はプロジェクトのリーダーとなれるようなクラスの方、主にマネジャークラスの方から選びました。「これならうちでやれる」「これは難しい」という業務判断ができる立場の人にまずは知識を身に付けてもらおうというのが理由です。

先ほどお話した通り、部署関係なく、コーポレートや営業の方からも手が挙がりました。営業職としても現場に行き、クライアントと話をする際、AIに関する言葉やキーワードを知っておくと、顧客の課題を適切に認識できたり、課題解決のための施策を考えたりできるでしょう。その会話内容を社内に持ち帰り、コンサルタントメンバーに伝える具体化・精緻化しソリューションに繋げていくことができます。

― 受講している方からはどのような感想をお聞きしていますか?

※インタビューは講座開講期間中に実施された

藤井様:

「初心者でも動画講座がわかりやすい」と好評の声を聞いています。ただ、新しいことを学んでいることもあり、AIができることに惹かれがちな印象もあります。AIは便利ですが、決して万能なわけではありませんから、「こういうことはできるけど、これはできないんだ」と後半の研修やワークでもっと理解度を上げていってもらえたらと思っています。

片山様:

実際に実務に活かすというのを期待しての研修ですので、今回研修を受けた方が実務面でどう学びを活かせているのか、今後追っていきたいです。

― 「AIジェネラリスト基礎講座」のあと後にオリジナルのワークを追加されています。理由についてお聞かせください

藤井様:

やはり、AIを理解するには実データを実際に触ってみるのがいいと思っていますが、今回は基礎レベルの研修のため、そこまでは難しいです。ただ、動画を見て学んだだけでは知識が身につかないと思うので、実際に手を動かしながら学んだ知識をどう使うか考えてもらう機会を設けたいと考えました。知識を定着させてもらいたいという意図で追加をお願いしました。

他企業を巻き込みながら、業界のAI適応化を進めたい

― AI活用を進める御社の今後の展望を教えてください

藤井様:

社会インフラ分野でAIを使っていくことが私の所属するAI解析研究室のミッションであす。デジタル化やAI活用が遅れている土木建設業界の課題を1社だけで解決するのはおそらく難しいと思っています。業界を巻き込んでいきながらAI活用を進めていきたいですし、そうしなければうまくいかないと思っています。

冒頭でお話したように、AIに適したデータが取得できていないことが一つの大きな課題ですから、業界全体で使えるデータを蓄えていく活動も必須です。そうした活動の一助となる研究や事例も増やしていきたいですね。

片山様:

土木建設業界は人手不足も課題の1つです。デジタル化やAI活用を進め、若い方に魅力を感じてもらえるような業界にしていかなければいけないという課題感も持っています。社会インフラが老朽化し、50年後、100年後に荒廃した状態で次世代に残すことになってしまう。そうするわけにはいきませんから、私たちがいわゆるDXを推進し、魅力ある業界を作り上げるとともに質の高いソリューションを提供することで、社会インフラの整備に貢献していきたいと思っています。

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