Success Stories導入事例
大学でのデータサイエンス教育について
私は元々ビジネスパーソンで、教壇に立つようになった今もビジネスパーソンとして学生たちに向き合っているつもりです。
大学でのデータサイエンス教育がどうあるべきかを考えた時に、学びの多様性があるべきだし、その多様性の中の一つとして、データサイエンスをあくまで手法と捉えて課題解決を優先する教員がいても良いだろうと思っています。
データサイエンスは活用できる場面がたくさんあります。
学生には色々な場面を見せて、場面ごとにデータサイエンスをどう活用すればいいかを学んでもらいます。
これが私の教育方針です。
従来型の大学教育とは少し毛色が違うのかもしれません。
多くの場合、学生は1年生~2年生にかけて座学を中心に基礎を学び、3年生~4年生では習ったことから一つを選んで思考を深めていき、卒業論文を書く。
論理的思考能力を高め、専門性を作っていく上ではとても良い教育方法だと思います。
この従来型の教育を縦型とするなら、私が行っている教育は横型と言えます。
私の教育では、例えば、お店の売上を伸ばすには?、製造ラインを効率化するには?、といった様々なビジネスや社会の課題に対して、どのようなデータサイエンスの手法が使えるのかを教えていきます。
多様なプロセスを学ぶことは、縦への深さという面では弱いかもしれないけれど、データサイエンスを全体俯瞰して、様々な場面に応じてそのプロセスを使い分けられる学生を輩出することにつながると思っています。
専門家は時に自身の分野に留まってしまい、専門外の領域を見落とすことがあります。
データサイエンスは活用できる場面や使える手法が多様ですので、それぞれの場面で柔軟に対応できる力はとても大切です。
スキルアップAIのディープラーニング講座を取り入れた狙い
では実際に学生たちにどう教えていこうか考えたときに、カリキュラム上の課題がありました。
1年生~2年生の講義では数学やプログラミングの基礎をしっかり学ぶことに時間を使うため、まだディープラーニングについては深くは教えられていません。
とはいえ、学生によっては、ディープラーニングを用いて画像判別などに早く挑戦したいと思っています。
そこで、そういった学生には、夏休みの期間を使ってスキルアップAIのディープラーニング講座を受けてもらい、画像判別などに挑戦する機会を提供しようと思いました。
スキルアップAIの講座を選んだ理由は、一度講座をトライアルで見させてもらったときに、想像していたよりも内容が深く濃いもので、素晴らしい講義だと思ったからです。
滋賀大学の学生たちは機械学習を講義で学んでいますが、理解度は学生によってまちまちです。
また、ディープラーニング自体が簡単なものではないので、しっかり理解できるか不安な学生もいると思います。
それでもスキルアップAIの講座なら大丈夫だという安心感がありました。
スキルアップAIの講座では、レベルの高いことを教えながらも、脱落しそうな人の気持ちを先回りしてポイントを解説してくれたり、時に数式で説明したくなってしまうところを、言語化して説明してくれます。
講師の小縣さんに聞いたところ、小縣さん自身がディープラーニングを勉強していて苦労したところを意識して教えているそうです。
ディープラーニングの専門性を持っていない人に、実践的に使える理解力を付ける教え方にとても惹かれました。
こういった理由で、スキルアップAIを選びました。
学生たちに参加希望を募ったところ、予想より多くの学生が手を挙げてくれて、定期的にお互い教えあったり情報交換する場を設けながら、学習を進めています。
学生に将来期待すること
大学で何を教えるべきかという議論にも通ずる部分があるのですが、私の個人的な教育目標は「小さな自信と向学心を備えさせること」です。
大学の4年間で学べることには限りがありますし、今は変化が早い時代ですから、社会に出てからどんどん状況が変わっていきます。
そんな社会にこれから出ていく学生には、「これくらいだったらできる。足りない部分は勉強していこう。」という心構えで生きていってほしいと思っています。
もしかしたら大学で学んだことを全て消化できないまま卒業するかもしれない、試験や卒業論文では良い点が取れないかもしれない。
それでも良いのです。
学生の間に一度取り組んだことは、決して無駄ではなく、その人の中に根付いています。
そして社会に出たあとに理解できることも多いのです。
社会に出た後にも学びを続けて行くのに必要な武器こそが、最初の出発点である小さな自信と成長曲線である向学心なんだと思います。
スキルアップAIの講座ではディープラーニングという小さな自信を備え、企業とのプロジェクトで様々な未知の場面に出会うことで向学心を備える。
社会に出た後の学生の飛躍を願って、大学教育の現場で日々汗をかいています。
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