事例
- 課題・背景
-
内製AI/DXトレーニングを強化しつつ、研修効果を最大化するために外部研修との連携を模索していた
- 効果
-
体系的な知識補完に貢献
-
研修・伴走支援のトライアル実施後に実務でCopilotを活用し業務時間削減効果が示唆された
ポイント
- Copilotの基本概念からExcel、PowerPoint、Outlook、Teamsなど各製品での具体的な活用方法まで、体系立てて学べる研修設計
- Microsoft 365 Copilotによる活用アイデアをアウトプットする、実務直結型研修
- 現場でのMicrosoft 365 Copilotの活用実践に伴走し、実務適用を支援
-
トライアル実施の内容
eラーニング・ライブ講義
・ビジネスパーソンのための対話型生成 AI 講座Microsoft Copilot 編
・Microsoft 365 Copilot活用講座
・生成AIアイデアソン講座 Microsoft 365 Copilot編
伴走支援
・Copilot道場(質問会)
※組織名、役職などは取材当時(2025年6月時点)のものです。
DX推進の核である「AIZAQ」プロジェクトによる研修を、外部研修との組み合わせで次のフェーズに
― これまでの御社のAI/DXに関する取り組みについて教えてください。
伊藤様:
オムロンでは、全社一律のDX教育をグローバルで展開していました。AIやデータ、RPAなどのコンテンツを社員がいつでも受講できるようにし、各国・地域の特性に合わせてカスタマイズも行ってきました。しかし、学んだことを現場で使う機会が不足しており、教育だけではDXが進まず苦戦していました。
そのような中で2023年に生成AIが登場したことをきっかけに、「AIZAQ」という生成AIを活用したリアルな業務課題の解決を目指すプロジェクトを始めたのです。これが結果的にDXを実践する場となり、社内にAIやDXを再発火させるきっかけになりました。
現在は全社一律DX教育とAIZAQの取り組みを連動させて、社内でAI/DX研修を行っています。
― 社内研修を進める一方で、社外の研修プログラムとの連携を図ろうと考えたことの背景は、どのようなものでしたか。
伊藤様:
AIZAQを始めた2023年8月当初は、生成AIに対して明確な答えを持つ人がいなかったため、まずは使ってみることを重視し、ユースケース・課題ドリブンで進めていました。そして約1年半この形でやってみて、実践の「型」が見えてきました。これを全社に広めていく必要があると考え、教育による加速・定着・拡大が必要だと判断しました。
なお、当初は個人と組織のユースケースが混在していたのですが、私たちの学びとして「軸足は組織にすべき」という結論に至り、2024年4月からは組織課題に特化する方向へ軌道修正しています。
― スキルアップAIの教育プログラムをトライアル実施いただいた背景を教えてください。
伊藤様:
AIZAQでDX実践の型ができた後、教育強化が必要だと感じたタイミングで、スキルアップNeXtからスキルアップAIの教育プログラムについて提案をいただきました。トライアル実施を決めた理由は、生成AIだけでなくDX全体をカバーする事業領域を持っていること、そして育成面で豊富な経験やノウハウを持っている点にあります。当社の教育強化のタイミングとも合致したため、全社から希望者を募り、Copilot研修と伴走支援をトライアル実施することになりました。
業務改善を「当たり前」の文化にしたい。DX推進の土台を築く、長期的価値のある研修を追求
― 実際に研修を受けてみて、いかがでしたか。
伊藤様:
まず、「ビジネスパーソンのための対話型生成 AI 講座Microsoft Copilot 編」「Microsoft 365 Copilot活用講座」のeラーニングが非常に良かったです。10段階評価で「10」をつけたいと思うくらいですね。セオリーが体系的にまとまっていて、ユーザー視点で必要なことが学べました。
また、eラーニングやライブ講義などを段階的に受けていく組み合わせ方は、非常に効果が大きいと感じました。eラーニングは時間や場所を選ばずに受講できて助かりますし、ライブ講義では自分以外のプロンプト活用事例を知り、その場で講師に質問できることで学びの価値が2倍、3倍にも増幅されると感じました。
― 受講生からの評価はいかがでしたか?
伊藤様:
私の体感と同じく、受講生からの評価も非常にポジティブな声が多かったです。eラーニングの動画は活用テクニックが豊富で満足度が高く、ライブ講義の解説は分かりやすくフィードバックも的確で飽きなかったと好評でした。他部署との意見交換や具体的な事例共有も非常に役立ったという声がありました。
「生成AIアイデアソン講座 Microsoft 365 Copilot編」では、業務改善アイデア出しと管理フォーム作成、不具合の真因分析、新部門配属時の情報収集・要約、契約書のレビューと修正点要約など、たくさんの具体的な活用アイデアが出ました。受講生が明日から実践できるヒントを得られたことは非常に有意義で、実際に、受講生がこれらのアイデアを実務で実践した結果、20名の合計で月あたり約50時間の業務削減効果が報告されています。
これらのアイデアは、本格的に業務課題解決を志向する人財がAIZAQプロジェクトに参加する入口となる可能性も秘めていると認識しています。アイデア自体は一般的かもしれませんが、社員が自ら業務を変革するためにアイデアを出せる「状態」になることが非常に重要だと考えています。
― 今後の期待と展望についてお聞かせください。
伊藤様:
私たちがAIZAQを行っている目的は、生成AIを使わせることだけではなく、DXできる人財を育成し、事業の基盤となる人財を確立することです。2027年末までに国内社員の30%にあたる約3,000人がAIZAQに参加し、DXに取り組んだ体験を持つことを目標としています。これにより、社員が自分たちの組織でDXによる業務改善を当たり前にできるようになり、最終的には商品価値の向上や社会的課題の解決に貢献できると考えています。
スキルアップAIへは、生成AIに閉じずにDX全体をカバーする教育コンテンツのさらなる拡充を期待しています。生成AIの登場により、データサイエンティストやRPAの知識など、これまでのDXコンテンツが大幅にアップデートされる必要があると感じていますので、常に最新で幅広いコンテンツ提供をお願いしたいです。オムロンの内製教育との連携についても、今後検討を進めていく予定です。今回のトライアル実施が、内製と外部研修の最適な組み合わせを探る良いきっかけになりました。
スキルアップAIでは、様々な業界業種で950社以上の企業・自治体のAI/DX推進を支援しています。
ITやデジタルなどのDX推進、AI開発や生成AI活用などのAI導入/推進における、幅広い業界の人材育成の事例集をご用意しておりますのでぜひAI/DXの人材育成にお役立てください。
あわせて読まれている事例

DX人材育成について相談したい方は