Success Stories導入事例
[後編]ライセンス契約で自社AI講師の育成を加速。
講師経験ゼロでも満足度の高い講義の再現ができた。
研修を導入してライセンス契約を結んだ経緯や背景について、品質管理部長の武知様、マネージャーの長谷川様、先端技術部長の野島様、社内講師の役割も担った先端技術部の中川様にお話を伺いました。後半では、講師内製化に向けた育成プロセス、講座受講後の反響や今後の展望などを伺います。
- 社内でAI人材を育成できるようにする
- 社内でAIノウハウを持てず、人材育成が実施できない
- 社員が正しくAIを理解していない場合、現場レベルでプロジェクトを進めていくのが難しい
- 2年目社員が内部講師となり迅速・柔軟・安価で自社に適した研修を実施
- 社内でAIを活用した複数のプロジェクトが開始された
内製化に向けて、講師育成を二人三脚で
スキルアップAIとライセンス契約を結び、講師を内製した背景を教えて下さい。
野島様
今後継続的に、AI活用を進めるにあたって、AIに関する知識やノウハウを社内で共有・研修できる体制づくりが必要だと考えていました。そこで、先端技術部の社員をAI研修の講師として育成することにしました。例えばAI案件を進める際「講師をしてくれた人がプロジェクトに参画してくれる」ということが、ユーザ部署やプロジェクトメンバーの安心感につながるということが大きなメリットだと考えました。
先端技術部は、会社の業務にAIをどう活かしていくかを考え、適切な運用を図る部署です。社内にAIの講師が増えれば、より的確なAI運用が出来るという期待もありましたね。ただ、講師を育てると言っても、何から手を付けて良いかわからない。その点、スキルアップAIは教材や教え方など講師の育成に必要なノウハウの提供を行なっており、私たちの目標を二人三脚で叶えてくれるので、複数年のライセンス契約を結びました。
社会人2年目の講師が社内研修を担当
社内講師の育成プロセスを教えて下さい。
野島様
まず私から2年目社員である中川を講師候補に指名し、スキルアップAIの研修を受けた後、その研修の内容を社内向けに研修できるようになってほしいと依頼しました。
中川様
私は元々大学で機械学習を学んでいました。在学時はAI関連の知識について理解しきれてないところがありましたが講座を受講してみて、大学の授業でわからなかったところが、すごくわかりやすく理解できました。それから、受講した講座の内容をベースにして、その2ヶ月後に同じ内容を社内向けに研修できるよう、準備を始めました。社内研修は1日7時間半の講義を行うので、事前準備はしっかりと行いました。
どんな事前準備をされたのですか?
中川様
基本的には、私たちが受講した講座の流れをそのまま再現しようと考えていたので、それができるよう準備していきました。すでに一度受けた内容なので、どんな風に教えればいいのかイメージが持てていて再現しやすかったですね。
また、スキルアップAIで使われている講師資料を共有していただいたり、実際に講師の方に教え方のノウハウを共有いただいたりもしました。質問が来たときの対応の仕方や、どんな心構えで講義をしているのかなど、レクチャーいただきました。
特に印象に残っているのはホワイトボードの使い方ですね。私は講師としての経験はなく、その場で何かするのは難しいと思っていたので、内容は全てスライドを使って共有しようと考えていました。ただ、重要な部分はホワイトボードで書いたほうが印象に残ると教わり、なるほどなと思いました。スキルアップAIでは文字を書くスピードにまで拘っていて、「人がきちんと理解するためは手で書くスピードが最も良い」と教えてくれました。そこで、そのやり方を取り入れることにしました。
講師としての経験が浅くても、これまでスキルアップAIが蓄積してきた教え方のノウハウを共有いただけたことで、講義内容をブラッシュアップできました。他にも、どんな教材が必要で、どんな教え方がいいのか。スキルアップAIの講師と綿密に打ち合わせを重ねました。おかげで、スムーズに準備を進めることができ、予定していたタイミングで無事、社内講師として研修を開催することができました。
「この講義を受けていたら、もっとデータを活用できたのに」
講義を受けた後、社内の反響はありますか?
長谷川様
ある社員が講義を受ける前、AIコンサルディング会社にデータ分析を依頼していたのですが、そのことを振り返りながら、「講義を受けた後の知識だったら、もっと意見が言えただろうし、データ自体をもっと有効に活用できた」と言っていたのが印象的でした。社内でこうした事例が増えれば、受講した社員のモチベーションも上がっていくのではないかと感じています。
AIを多角的な視点で捉え、正しい認識を持つためには、上司や先輩が会社の実務を通じて教える方法(OJT)だけでは限界があるようで、講座で体系的に知識を学んで初めて、「あの時の会話は、そういうことだったんだ」と腹落ちする社員もいましたね。
講座は今後、どのように展開していく予定ですか?
野島様
まずは2020年、システム部門でAIを活用する可能性があるチームの全社員が原則として受講できるようにする予定です。また、ジェネラリストだけでなく、より専門的な知識を要するエンジニアの育成にもトライしていきたいと思っています。その上でシステム部門以外の、実際に業務を担う社員のAIリテラシーを上げる取り組みも行いたいです。今何に困っているのかを正確に把握するためには、やはりシステム担当よりも現場の人たちに直接ヒアリングすることが大変重要です。新しいやり方を生み出す上では現場に近い人たちに協力してもらうことが必要不可欠だと思うからです。
AI活用の鍵となるのは現場の声
会社としての今後の展望を教えて下さい。
武知様
まずはG検定(ジェネラリスト検定)とE資格(エンジニア資格)の合格者を増やしたいです。本当は、資格に合格するほどの力がつけば、合格者の数は特に気にしていなのですが、数字で表せると社内外へのPRにもつながります。
E資格は難易度が高いので、受講者は選抜していこうと思います。基本的なAI知識を持つ人材を増やしつつ、スペシャリスト人材も育成するという両輪で目標を達成していければと考えています。一方で、ただ試験に臨んでもらうのも堅苦しいので、お祭りみたいに楽しく学ぶ雰囲気を演出できればと思っています。例えば、ランチを持ち寄って勉強での不明点を聞き合ったり進捗を報告し合ったりする勉強会をしたり、社内SNSサイトで試験対策情報を共有したり、更には試験に合格した人を対象に祝賀会を開いて盛り上げることもしています。
また、AIスキルを上げるのと並行して、社内でAIを活用したプロジェクトをいくつか始めています。このプロジェクトの効果をきちんと出していくことが、私たちにとって最終的なゴールなので、長期的な視野でやっていこうと思います。
野島様
先端技術部としては、やはりAIを使って新しい価値を生み出していきたいです。そのヒントとなるのが現場です。受け身の姿勢では何も新しい価値は生まれないので、現場とのやり取りを重視し、AI活用を進めていきたいですね。
武知様
今後、AI活用を促進するためにも成功事例を一つでも多く作って、社員に成功を体験して欲しいですね。私たちはITをビジネスに取り入れて新しい価値を作るのが目的で、AIはあくまでも目的達成のための非常に強力なツールです。受講者でG検定、E資格といった試験への合格者数を増やしていき、社内にAIムーブメントが起きるよう、AIに触れる人材を増やしていきたいです。
サントリーグループはお酒や飲料を扱うので、お客様に美味しさや健康、そして笑顔をもたらすような商品やサービスを提供できるようAI活用できる人材育成をこれからも進めていきたいと思っています。
(お話を伺った方)
取締役 品質管理部長 武知 栄治様
品質管理部マネージャー 長谷川 壽延様
先端技術部長 野島 達也様
先端技術部 中川 要様
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