事例

施工部門における現場管理業務のAI利活用率が 78%に向上。現場起点のナレッジ共有とコミュニティ構築により、『価値創出に向けた全員参加型AI活用』の実現をめざす

株式会社日立プラントサービス
その他
株式会社日立プラントサービス
500〜5,000名未満 / 全社員 / エンジニア / 生成AI活用
空気、水、エネルギーなど幅広い分野でお客さまのさまざまなニーズにお応えし、各種プラント・設備のエンジニアリングから、メンテナンスサービス、リニューアルまでを提供。
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株式会社日立プラントサービス
課題・背景

AI技術の急速な進化と将来の人員構成の変化を踏まえ、AIを前提に業務を抜本的に見直し、持続的成長を支える次世代の経営・業務基盤を構築する必要があった。

また、現場最前線の社員から自発的にAIの活用方法が生みだされ改善され続ける、抜本的な業務改革の推進をめざしていた。

効果

研修を通じて、「自分の業務にも活用できる」という気づきが広がり、AIへの抵抗感の低減や、意欲のある人財の可視化、現場課題の把握といった定性的な成果が得られた。

施工部門の実務に即した活用が進み、当初と比べて利用率が大きく向上し、非常に高いインパクトを創出した。

実現場でのアウトプット事例を取り入れた研修の実施により、一部の設計施工部門では、受講者の多くが自発的にAIエージェント構築に取り組むなど、価値創出に向けた活用の萌芽が確認された。

現場同士がチャット等を通じてフランクにナレッジを共有し合える、双方向型の自律的なコミュニティを実現するための仕組み(基盤)が整った。

ポイント

  • Beyont CTO 小縣が事前に施工現場を視察し、現場特有の日常業務サイクルに即した、実務に直結するプランニングを実施。
  • 対面でのハンズオン形式により、「業務フローの整理・可視化」および「課題の言語化」を起点とし、AIツール導入ありきではない本質的な業務改善をめざす実践型セミナーを開催。
  • 現場社員が創出した実務直結のナレッジを他現場へ横展開し、各現場における自律的な活用を定着させるためのコミュニティ構築を伴走支援。
株式会社日立プラントサービスは、空気・水・エネルギーといった幅広い分野において、お客さまの多様なニーズに応え、各種プラント・設備のエンジニアリングから、メンテナンスサービス、リニューアルまで一貫したサービスを提供しています。 また、日立のコネクティブインダストリーズセクターの一員として、プロダクトの豊富なインストールベース(デジタライズドアセット)のデータに、ドメインナレッジと先進AIを組み合わせた次世代ソリューション群「HMAXTM by Hitachi」に注力しています。これらをコアとする『インダストリアルソリューション』の提供を通じて、お客さまのライフタイムバリューを最大化し、グローバルな産業を変革することで、豊かな社会の実現をめざします。 これらの実現のため、同社は「全員参加型AI活用体制の構築」を掲げ、全社員にMicrosoft 365 Copilotの有償ライセンスを付与し、その活用と定着を推進しています。その取り組みの一環として、同社は施工現場におけるコミュニティ構築施策を展開。現場2拠点での生成AI活用研修及び、全国8か所で実践型セミナーを実施したことで、Copilotの活用率を飛躍的に向上させるなど、顕著な成果を上げています。 今回は、みらい協創戦略本部の犬伏様に、AI活用推進の背景や、Beyontによるコミュニティ構築支援を通じた成果・変化、そして今後の展望についてお話を伺いました。

全社員へのCopilotライセンス付与 AIを前提とした業務基盤構築への挑戦

― 貴社のAI/DXの取り組みやみらい協創戦略本部について教えてください。

犬伏様:

みらい協創戦略本部では「全員参加型AI活用体制の構築」をめざしています。AIの活用を一部の社員に限定するのではなく、全社員が日常業務の中で当たり前に活用できる状態を実現します。

日立グループとしてお客さまの課題をデジタルで解決していくためには、まず自社の従業員がAIを使いこなせることが不可欠である、という強い意志に基づき、施工現場や技術部門を含む約1,600名の全従業員に対して「Microsoft 365 Copilot」ライセンスを一斉付与するという、大胆なAI活用の一歩を踏み出しました。

私たちみらい協創戦略本部は、この取り組みを単なるIT施策としてではなく、業務変革そのものとして推進する司令塔です。現場の具体的な課題と経営がめざす方向性を結びつけ、実行まで伴走する役割を担っています。

― コミュニティ構築支援を導入することになった背景や課題を教えてください。

犬伏様:

単なるツール配布による「利用可能」な状態から、AIを前提として業務を再構築し、自律的に回る段階へ引き上げることが、「全員参加型AI活用体制」の実現に向けた最重要課題でした。

2025年8月に全社員へCopilotライセンスを付与したものの、活用の定着には一定の課題が見られました。特に、従来のAI活用事例の多くがコーポレート部門や営業部門などのデスクワークに偏っており、施工管理を中心とする現場部門においては具体的な活用イメージが醸成されていませんでした。
その結果、施工部門の利用率はコーポレート部門に比べ低くとどまっていました。

これらの課題を踏まえ、現場業務に即した活用シナリオの提示と業務適用の促進を目的とした施策の展開として、社内基礎eラーニングの必須化に加え、Beyontと連携した生成AI活用の定着に向けたコミュニティ構築支援の推進を検討しました。

― Beyontを選んだ決め手を教えてください。

犬伏様:

実際に現場で活用される段階まで伴走いただける内容であるかどうかを重視していました。
どのような研修設計であれば、現場社員がAI活用を施工業務に具体的に落とし込めるのかについては、自社のみでの判断が難しい部分もありました。

そのような中でBeyontに相談した際、取締役CTOの小縣さん自らが1日当社の施工現場に出向き、日常業務のサイクルを直接視察したうえで、生成AI活用研修とコミュニティプランを一貫してご提案いただきました。この点が、採用の最大の決め手となりました。

対面ハンズオンと現場起点のコミュニティで、自発的に現場業務でのAI活用事例が生まれる体制を確立

― 実際のコミュニティ構築支援はどのように行われましたか?

犬伏様:

全員参加型のAI活用体制の構築に向け、ナレッジ共有および自発的な活用推進を目的としたコミュニティの立ち上げについてご提案をいただき、段階的に施策を推進しました。

第一弾として、施工現場および拠点現場の計2拠点において、生成AI活用研修(60名×各3日間)を実施しました。本研修では、施工業務における具体的な活用アイディアの創出に加え、現場で活用を牽引するエバンジェリスト人財の育成を目的としました。

続く第二弾では、全国8拠点においてCopilot活用の実践セミナーを展開しました。
本セミナーでは、第一弾で創出されたアイディアを基盤としつつ、業務フローの整理を起点に、業務の可視化および課題の言語化を実施し、その上でAIをツールとして適用するアプローチを徹底しました。
また、実施形式についてはオンラインではなく、対面によるハンズオンを重視しました。

実践セミナーでは、第一弾で育成したエバンジェリスト人財が実業務に即した活用事例を展開し、現場業務に直結する研修を実施した結果、セミナー参加者の一部が自発的にAIエージェントの構築に取り組むまでにいたりました。
本取り組みは、「お客さまの課題をデジタルで解決するために、まず自らがAIを使いこなす」という当初の目標を具体的な成果として示したものと言えます。

― 支援を受けてみて、いかがでしたか?

犬伏様:

実務直結・体験型・継続学習の3要素が適切に組み合わさったことが、この体制を構築できた主要因であると認識しております。
また、利用率の向上という定量成果に加え、活用意欲の高い人財の可視化、現場が抱える課題の明確化といった定性的な効果も併せて確認されました。

― 受講者の反応はいかがでしたか?

犬伏様:

先ほど申し上げたとおり、 施工部門の社員がAIを前提として日常の業務フローを見直すことと、自発的にAIの活用方法が生みだされることが重要でした。
そのため、セミナーに参加した施工現場の社員が、自身の業務で活用した具体的なプロンプトや事例を持ち寄り、随時、次回のセミナーへ展開いたしました。

これにより、提供された一般的な事例に加え、現場で使用するExcelのグラフ作成や、経験者へ質問する際に活用できるプロンプト集など、より実務に即した事例が蓄積されています。

その結果、他の施工部門の社員にも「自身の業務でも活用できる」という気づきが生まれ、AI活用の浸透が加速いたしました。加えて、コミュニティを通じて社員同士が主体的に学び合い、現場が自発的にAI前提で業務を見直し、そのナレッジを共有する環境が整いつつあります。

― 今後の展開を教えてください。

犬伏様:

生成AI活用の次なる段階として、AIエージェントのMVP(Minimum Viable Product)開発ならびに「AIエージェント道場」の実施に取り組む方針です。

これにより、AIの位置づけを従来の部分最適的な作業支援から、業務そのものを担う存在へと進化させ、業務全体の高度化を図るとともに、各業務において適切な主体がAIエージェントを構築・運用する体制を整備します。また、社外展開も見据え、回答の正確性が厳格に求められる領域への対応に向けて、100%に近い正答率を担保可能なAIエージェントの構築を推進してまいります。

中長期的には、「調査・分析」といった従来業務に要していた時間を大幅に削減し、意思決定・実行するコア業務中心の働き方へと転換することで、お客さまへの提供価値のさらなる向上をめざします。

また、今回は施工部門における取り組みが中心でしたが、今後はこの成功事例を踏まえ、各支店や営業、コーポレート各部門への展開を加速し、ユースケースの標準化を推進いたします。社内の業務改革の最終目標は、みらい協創戦略本部のような推進組織の支援に依存せず、各部門が自発的にAIを活用し、業務を高度かつ円滑に遂行できる状態を実現することです。

今回の取り組みによって生まれたコミュニティをドライブさせ、そこで蓄積された現場のナレッジとAI活用の実践知を、次世代ソリューション群「HMAX Industry」の展開にもつなげ、社内業務の高度化にとどまらず、お客さまへの提供価値のさらなる向上をめざします。

スキルアップAIでは、様々な業界業種で1,000社以上の企業・自治体のAI/DX推進を支援しています。
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