事例
- 課題・背景
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業務プロセスにFAXや紙の書類などアナログな手段が残っており、時間外労働やミスの要因となっていた
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業務経験のない新入社員でもAI/DXに取り組む意識を持ち、実践への第一歩を踏み出せるようになる研修を求めていた
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生成AIの進化や必要性の高まりを受けて、新入社員にもプロンプトエンジニアリングの基礎スキルを習得し、さらに各自の業務で活用するきっかけを提供したかった
- 効果
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DXを進める上で必要とされる、ビジネスにおける変革へ向き合うマインドを醸成
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実践的なワークを通じてAI活用への心理的ハードルが下がり、自発的な活用意欲を促進
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新入社員が配属後に実務でアイデアを創出するための土台ができたという手応えを得られた
ポイント
- 配属先で新入社員が自らDX推進に意欲を持てるように、マインドセットの基本から、挑戦と成長を促す「成長マインドセット」の育成法までを学ぶ
- 生成AIのプロンプト指示や条件設定など「型」を学べる実践的なワークを導入
- 活用法だけでなく「想定されるリスク」も学ぶなど、新入社員が責任感を持って技術と向き合うための研修を設計
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対象者
新入社員
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研修期間
1日
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研修内容
変革のためのマインドセット講座、DX超入門講座、生成AIリテラシー講座
※新入社員向けに研修内容を一部調整しております。
新入社員を「変革の起点」にするためのDX研修
― 新入社員研修にDXやAIを組み込んだ経緯やきっかけについて教えてください。
金武様:
新入社員研修にDX/AIを組み入れたいという希望は基本的に昨年度同様で、DX/AIの業務における活用促進が課題だという意識を継続して持っていました。当社の事業は公的機関とのやりとりも多く、ファックスや紙ベースでの業務が今も残っています。それが時間外労働や人為的ミスの発生につながっていました。それでも、長年のやり方に疑問を抱かず、改善の芽が出ない状況がありました。
この状況を変えるべく、昨年度初めて新入社員向けにDX研修を実施しました。新入社員を対象に選んだのは、固定観念に囚われていないという強みがあるからです。その真っさらな状態でDXやAIのリテラシーを身につけてもらうことで、私たちが当たり前だと思ってしまっている現場業務に対して「なぜこうなっているのだろう?」と疑問を持ち、配属部署で現状に対する改善アイデアを提案してほしい、という期待を込めています。
そして昨年度のDXに加え新たにテーマとしてAIを加えたのは、ここ数年のAI技術の急速な進化と需要の高まりを受け、当社でもAIを業務効率化や生産性向上を実現するパートナーとして位置付けて業務に活用したり、あるいは自ら活用の提案ができたりする人材を一人でも多く育てたいと考えているからです。昨年度の研修受講者から「生成AIへの興味が湧いた」という声が上がっていたことも、私たちの背中を押してくれました。
― 昨年の新入社員研修に続き、スキルアップAIを選んだ決め手を教えてください。
金武様:
継続の決め手は、主に対面形式での研修である点と、こちらの希望に合わせて柔軟に内容をカスタマイズしていただける点です。
昨年度も、座学は少なくワーク中心で、という要望に対して、柔軟にカリキュラムを組み替えていただきました。そうした信頼感があった上で、今回も「昨年の研修を改良しつつ、生成AIを組み入れてほしい」「社内で利用するツールを重点的に紹介してほしい」といった細かな要望に応えていただけたことが、継続してお願いする決め手になりました。
また、AIという言葉は知っていても、理解度にはばらつきがありました。まずは新入社員に「何ができるのか」を知る機会を提供し、AIと上手く付き合っていく術を学んでほしかったので、プロンプトや活用法だけでなく、想定されるリスクについてもしっかり解説していただくことは重要でした。

研修で得たAI活用の意欲を、実務での業務改革へ。段階的なフォローアップで継続的な成長を支援
― 2回目となる新入社員研修はいかがでしたか。
金武様:
「入社直後で業務経験がないため、学んだDXの手法を実際の業務でどう活かせるかイメージがつきにくい」という昨年度の研修の改良点を非常によく反映していただけました。
業務経験がない新入社員でもDXに取り組む意識を持ち、そのためにやるべきことを理解し、実践への第一歩を踏み出せるようになる研修を目指して、内容を大幅にアップデートしていただきました。
具体的なDX/AIの研修に入る前に変革の土台となる「マインドセット」を組み入れていただきました。受講者からは「マインドセットは最近、苦手なことにも積極的に取り組んでいくことが大事だと思い始めていたので、これを機に自分に必要なマインドセットを書き出していこうと思った」「今までの先入観や固定概念に捉われずに新たなものにも挑戦していきたいと感じた」といった声が寄せられており、期待していた効果が得られているようです。
また、生成AIについては、体験型学習が効果的でした。生成AIを実際に使いながら理解を深めたことで、活用の心理的なハードルも大きく下がったようです。それだけでなく、プロンプトの「型」を学べたことは非常に大きかったと思います。効果的な活用に不可欠な指示や条件設定といった基本を理解し、プロンプトの共通テンプレートなど業務で活用できる型も学べたので、初心者でも気軽に実践しやすいと感じてもらえたのではないでしょうか。
― 受講者からの反応はいかがでしたか。
金武様:
研修後アンケートでは「わかりやすい講演、ワークを取り入れた双方向のやり取り等が満足かつ理解できた」という声が寄せられたり、受講者の満足度100%といった結果からも、非常に有意義な研修だったことが分かります。
研修開始直後は少し緊張が見られましたが、豊富に取り入れていただいたグループワークのおかげで、徐々にコミュニケーションが活発になり、積極的な意見交換が見られるようになりました。
また、「生成AIは利用したことがあるがうまく扱えず困っていたので、プロンプトの作成方法を学び、仕事上だけでなく日常生活においても活用していこうと思う」といった受講生の声のように、研修内で実際に生成AIを使ってみたことで、積極的に活用しようという意識が芽生えたことが大きな成果だと感じています。私たちが期待していたのは、まさにその「意識」の部分です。そのような業務効率化への意欲を醸成できたことで、配属後に業務での活用アイデアを創出するための土台をつくることができたと確信しています。
― 今後の展開を教えてください。
金武様:
この研修は単なるDX/AIスキル研修ではなく、変革を担う人材としての心構えを育むことを目的としています。繰り返しになりますが、一度きりの研修で終わらせず、段階的に学びを深める環境を整えることが重要だと考えています。定期的なフォローアップや、各部署でのDX・生成AIの活用事例を共有する場を設けるなど、継続的な支援をしていき、会社全体としてもそのような気運を絶やさぬようにしていきたいです。
特に、今回非常に好評だったマインドセットの研修は、DXを進める上で必須であり、仕事に向き合う上での基礎となります。来年度以降も、新入社員研修のカリキュラムには必ず盛り込んでいきたいと考えています。
スキルアップAIでは、様々な業界業種で950社以上の企業・自治体のAI/DX推進を支援しています。
ITやデジタルなどのDX推進、AI開発や生成AI活用などのAI導入/推進における、幅広い業界の人材育成の事例集をご用意しておりますのでぜひAI/DXの人材育成にお役立てください。
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