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Success Stories導入事例

実践的研修と実績の豊富さが、
講座受講の決め手
電気事業のDXを加速させる
プロジェクトマネージャーを育成

電源開発株式会社
その他
電源開発株式会社
500〜5,000名未満 / エンジニア / データサイエンティスト / 管理職 / G検定
大規模水力発電所や大規模石炭火力発電所の建設・運転を行い、全国の電力会社等に電力を供給。地域間を連系する送電設備を保有し日本全体の電力系統の広域的な運用に貢献。
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電源開発株式会社

エネルギー×AIビジネスのプロジェクトマネージャーを育成

エネルギー×AIビジネスのプロジェクトマネージャーを育成

― エネルギー業界の現状と、デジタルイノベーション部が設立された背景についてお教えください。

小泉様:

電源開発は設立から半世紀以上にわたって日本全国に、また海外に水力、火力などの発電所や送変電設備を建設し運営しています。その間、電力業界の事業環境は大きく変化してきましたが、重要インフラを支える事業者として時代の要請に応えながら新規地点開発や技術開発に挑戦してきました。また、少子高齢化や環境課題などの社会的要請にも対応し事業を推進しています。

電気事業を取り巻く変化について、2000年を起点に振り返れば、電力小売自由化に始まり、FIT制度の導入、電力システム改革として電気事業の全面自由化、発送部門の法的分離、各種の電力市場整備が行われるなか、近年、新たなプレイヤーが参入するなど、競争環境はますます厳しくなってきています。

このような情勢下において、電力各社とも発電・流通事業や電力販売事業に先端デジタル技術を積極導入して事業運営に活かしています。いまや、先端デジタル技術は事業競争力を左右しかねない重要な要素の一つになっていると認識しています。

こうした状況を踏まえ、当社でも企業価値の向上や生産性を高めることを目的に、先端デジタル技術(ディープラーニング、IoT、クラウド等)を活用し競争力を高めると共に、事業変革していくことが急務となっています。そこで2019年4月に当社・グループ企業への先端デジタル技術の道先案内人として、また技術導入を加速する役割の担い手として、私たちデジタルイノベーション部が設置されました。

― 現在、どのような先端技術を取り入れた取り組みを行っていますか?

小泉様:

当社では大きく3つのカテゴリーで、デジタルに代表される先端技術を取り入れたプロジェクトを進めています。

1つ目はトップライン(収益貢献)。電力を安定供給し、機会損失を防ぐため発電・送変電設備の安定運用に関する保守高度化、また市場取引の収益最大化にデジタル技術でチャレンジしています。

2つ目はボトムライン(原価低減)。AIやソフトウェアによる業務の自動化・効率化では、既にRPAの導入が進んでおり帳票類出力に活用されるなど、労働時間短縮に貢献しています。また、全社においてIT関連などの社内問合せ業務へのチャットボット導入も進めています。

そして3つ目は当社の事業運営にとって欠かせない基盤の構築・維持です。設備や人財といった重要な「基盤」を強固にして、事業推進の機動力を向上させるためにAIやIoTを積極的に活用していきます。これからますます重要となるデータに基づく知識集約型の働き方を実現するためにはIoTや機械学習の活用は不可欠です。

また、これらの取組みは、近年クローズアップされている働き方改革、あるいは事業変革や創造的分野への対応力創出も念頭に置いています。

杉山様:

私たちは風力事業の保守高度化に関して、2020年9月にKDDIと協働(※1)で、自律飛行型ドローンによる風力発電設備の自動点検の検証(PoC)を行いました。停止中の風車にドローンが近づき、ブレード(風車の羽根)を撮影し、画像解析ソフトで損傷個所がないかを分析しています。いまは実証実験の段階ですが、この手法が実用化できれば点検作業員は高所作業から開放され、点検にかかる時間も大幅に短縮できます。

また、作業員がハンズフリーで保守用スマートデバイスに点検結果を登録できる音声認識アプリの導入検証も進められています。

脇坂様:

私たち水力発電部では、次世代型水力発電所の構築を目指し、「省電力無線などの通信ネットワークやIoTソリューション」を活用した機器の異常検知・予測を進めています。

難波様:

私はエネルギー計画部と電力の小売事業などを手掛けています。電力の需要予測には機械学習が欠かせません。また、デジタルイノベーション部では複数の気象モデルを活用した天候予測のPoCも行っています。

前田様:

私のチームでは、スタートアップ企業と協働し、チャットボットを活用した問合わせ業務の自動応答に取り組んでいます。

※1:電源開発株式会社とKDDIはドローンを用いた風力発電設備の自動点検の有効性を実証
https://www.jpower.co.jp/news_release/2020/10/news201007.html

― AI研修を導入する上で、どのようなポイントを重視されましたか?

小泉様:

もっとも重視したのは、研修実績が豊富なことです。私たちデジタルイノベーション部は2019年に設立されたばかりで、当時、体系立てたAI人財の育成方法をまだ十分に確立していませんでした。その結果、どのメンバーも手探りでAIプロジェクトを進めていました。

そこで、AI人財の育成について先進企業にインタビューさせて頂いたり、調査をするなかでスキルアップAIにたどり着きました。同社は企業への研修実績が豊富で、メニューも幅広いこと。オンライン・オフラインいずれにも対応したカリキュラムをお持ちで、ディスカッション形式の実践的なワークショップもそろっていると聞き、まずは我々の部からAIに関連したプロジェクトを担当している森田、前田の2人のメンバーを選抜して研修に参加してもらうことにしました。

2名ともAIに詳しい人財ですが、研修ではアルゴリズムなど技術的な知識はもちろんのこと、データセット生成、検証環境の構築方法、モデルへの学習の進め方、PoCチームの運営、様々な場面で遭遇する課題への対処、判断の仕方、法規面での留意事項など実践的な研修であったとの高評価で、これならいけると思いました。

― 研修カリキュラムを見て、どのような点が魅力的だと感じましたか?

小泉様:

AIに関する技術の理解は重要ですが、対象となるビジネスシーンを想定して、どの断面に活用すれば効果が上がるのか、そのビジネスをどう変化、改善できるのかビジネスを起点に発想してプロジェクトの計画を組み立てていくことが求められます。AIプロジェクトを主導するメンバーは、ユーザー部門とコミュニケーションを取りながら、プロジェクトへの期待感、温度感を高めるために適時、AIのサンプルを提示するなどアジャイル的な臨機応変の対応力が必要です。

また、成果に一番近いモデルの見立て、期間、コスト面での検討、できること・できないことを見極め着地点の提案、そしてリスクマネジメントなど総合的な力も求められます。スキルアップAIはテクノロジー面の研修はもちろんのこと、実際のプロジェクトマネジメントを想定した実務的な研修もあり、両面をバランスよくカバーすることが可能で私たちの目指す姿を実現するために最適だと感じました。

森田様:

講師陣がビジネスプロジェクトへの参画経験があることも重要なポイントでした。講師陣のプロフィールを拝見したところ、スキルが高いことはもちろん、AI導入プロジェクトのリード経験がある方やAI関連のプロジェクトマネジメント経験を多数重ねてきた方がたくさんいらっしゃることがわかりました。

また、どのような講座があるのかを俯瞰した「講座マップ」を見たときも、ビジネスの企画から技術の深堀までどのようなシーンでどのような講座を受講すればいいのか全体像がつかみやすかったですね。スキルアップAIには、自社に必要な講座が網羅されていると感じました。

― どのような社員が受講対象でしたか?

小泉様:

先ほどの通り、2名が受講した研修での手ごたえがあったため、今回の対象は水力発電部から脇坂、我々デジタルイノベーション部から服部、杉山、難波をはじめとするAIプロジェクトのリーダーたちとJパワーグループでシステム開発を手掛ける情報システム企業(J-POWERビジネスサービス)のメンバーの合計13名でした。まずこの13名に「AIジェネラリスト基礎講座」を受講してもらい、その中から10名に絞って、さらに「AIプランニング・プロジェクト推進基礎講座」を受講してもらいました。

― 受講する講座はどのように選んだのですか?

小泉様:

本日、インタービューに参加している若手メンバーはAIプロジェクトの最前線で日々、格闘しています。講座の受講を通じてAIプロジェクトのマネジメント方法を体系立てて学んでもらい、プロジェクトをよりスムーズに推進してほしいと考えました。

一方、J-POWERビジネスサービスのメンバーは当社のシステム開発に一貫して携わってもらっています。AIを活用したシステム開発の場合、データセットの生成、PoCのマネジメントなど一般的なシステム開発と異なる部分がたくさんあり、AIの開発面にフォーカスして学んでもらうことを目的にしました。当グループ全体で質の高い知識と実践的なマネジメント手法を身に付けてもらいたいと考えました。

業務に直結するスキルが身に付き、
プロジェクトマネージャーのレベルアップが実現

業務に直結するスキルが身に付き、プロジェクトマネージャーのレベルアップが実現

― 実際に受講して、どのようなご感想をお持ちになりましたか?

服部様:

スキルアップAIの講座では、画像処理や自然言語処理といった技術的な知識はもちろん、実際のPoCの業務の流れや、業務をうまく進める上でのポイント、テクノロジーをシステムに実装する際に気をつけることなどを学ぶことができます。講座で学んだ実践的な内容は、業務にすぐ活かすことができました。

難波様:

私はシステムエンジニアとともにAIを搭載した電力販売の予測システム開発のプロジェクトを進行しています。どうすればビジネスサイドの要望を社内外のエンジニアにうまく伝えることができ、プロジェクト全体をレベルアップできるのかちょうど悩んでいたところでした。研修では私が手掛けている需要予測が例題として出されたこともあり、日々直面している業務の悩みを解決してくれたと感じています。

脇坂様:

これまでAIのプロジェクトを進行するとき、ノウハウのないなかで手探りしながら企画してPoCに取組んでいました。この研修を通じて、AIプロジェクトに必要なマイルストンなどの管理項目や最適なアルゴリズムの選定方法、費用対効果などを判断できるようになり、業務のレベルアップを実現することができました。

― 今後、どのような講座を期待していますか?

小泉様:

今後は、専門的な技術論文を読み込むなど情報収集の仕方をまとめた講座にも参加を広げていきたいと考えています。また、スキルアップAIが主催する形で様々な企業のAI担当の方々とユーザー会のような交流(ビジネスコンテスト、ハッカソンを行うような取り組み)もあると面白いのではないかと思います。また、受講者の理解度や習熟度を可視化することもできたらと考えています

― 最後に今後の展望を聞かせてください

小泉様:

私たちはAIやデータサイエンスを主導できる人財を早期に確保、育成する計画を立てています。今後、社内やグループ企業で多種・多様なAIプロジェクトが立ち上がってくることが想定されます。そこでは、テクノロジーとビジネスを理解したプランナー、数学モデルを駆使できるデータサイエンティスト、そしてPoCのモデル構築とシステム実装ができるエンジニアの三位一体で取組む必要があります。それぞれの役割がうまくかみ合うことでプロジェクトを成功に導くことができます。その中心メンバーとして、プロジェクトの成功確率を高めていける、そして皆から頼りにされる人財を、Jパワーグループから一人でも多く輩出していきたいと考えています。スキルアップAIには強力なサポート役を期待しています。

(お話を伺った方)
電源開発株式会社 デジタルイノベーション部 
部長 小泉 真吾 様
プロジェクト室デジタル共創ユニットリーダー 森田 和敏 様
プロジェクト室 前田 恭平様、杉山 豪様、服部 啓之様、難波 瑛次郎様
水力発電部 水力電気室 脇坂 純様

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