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Success Stories導入事例

「すこやかな毎日、ゆたかな人生」実現の手段として、全社員のデジタルリテラシー底上げとコア人財育成を加速する

江崎グリコ株式会社
その他
江崎グリコ株式会社
500〜5,000名未満 / エンジニア / 営業
菓子、冷菓、食品、牛乳・乳製品の製造および販売
公開日:  更新日:
江崎グリコ株式会社

全社員向けデジタルリテラシー向上研修を実施

研修前の課題・背景

デジタル活用推進のコア人財の育成

全社的なリテラシー底上げ

研修後の効果

AIの利用方法がイメージできるようになった

プロジェクトの設計や進め方が勉強になった

施策の改善事例の創出

研修のポイント

  • 初級から上級までのレベル別カリキュラム
  • 実務に直結するハンズオン形式
  • 中期的な人材育成計画

パーパス実現のため、全社的なデジタルリテラシーの強化が目標

― 自社の社員にデータ分析やAIを始めとするデジタルリテラシーが必要だと判断した背景について教えてください

犬伏:

当社は事業を通じて社会に貢献し、より多くの⼈々の健康な毎日を実現することを追求し続けることを目指し、1922年に創業しました。100周年を迎えた現在では創業の精神を受け継ぎ、会社の存在意義(パーパス)として「すこやかな毎⽇、ゆたかな人生」を掲げています。
パーパス実現のため、中期事業戦略にて「おいしさと健康価値の提供」「お客様起点のバリューチェーンの実現」「注力領域への転換」の3つを柱とした変革を進めています。変革にあたって、お客様・生活者との接点からデータを取得・分析し、新たな価値創造につなげていくことが特に重要なポイントでした。
デジタル活用は戦略実現の手段として、業務の高度化および効率化の両面で欠かせないと考えています。既存業務の効率化を進めるとともに、社員が創意工夫にあふれる業務にあたり、社員自身も「ゆたかな人生」を送ってほしい。そんな想いをもって企画運営を進めています。
犬伏さん
(グループ人事部 戦略企画グループ 犬伏 光様)

田中:

社内の実情として社員間のデジタルリテラシーにバラつきがあり、(1) 事業へのデジタル活用を推進するコア人財、(2)全社的なリテラシー底上げ、の2正面で育成を加速する必要があると考えていました。

中期事業戦略の3つの柱

― 社内でのデジタル化の流れはどのように始まったのでしょうか。

田中:

竹下、川本が所属しているデジタルチームが2019年に発足したのが一つのきっかけでした。社内各部門と相談しながらデジタル活用の具体的な青写真を描くとともに、デジタル人財の社内育成の進め方について模索していました。2021年からはグループ人事部も本格的に協働し、一部社員に向けて動画教材を用いた学習プログラムを先行開始しました。2022年から本格的に社内展開するにあたり、先述のとおりコア人財育成と全社の底上げを加速するため、スキルアップAIに研修をご依頼しました。

育成だけではなくその他の人事施策も対応を進めています。例えば、新卒採用。従来は総合職として一括採用し、新人研修を経て適性を踏まえ部門に配属していました。現在は学生の希望・専門に応じたコース別採用が主体です。希少なデジタル人財についても、インターンシップを活用した採用活動が行われています。
田中さん
(グループ人事部人財・組織開発グループ 田中 弓雄様)

― 社内のデジタルに対する意識についてはいかがでしたか

竹下:

経営層からの発信もあり、デジタル活用が重要だという意識はありながらも、一般的にデジタル活用でどんなことができて、自分たちの業務にどう応用できるのかはブラックボックスにある…という印象でした。一方で、当社社員は成長意欲・学習意欲の高い社員が非常に多く、全社的な育成施策により、組織能力を大きく伸ばせると信じていました。
竹下さん
(経営企画部デジタル化推進チーム 竹下 敦様)

犬伏:

現場のニーズも大きいと感じます。例えば、当社の商品・サービスを利用いただく生活者のみなさまがどのような購買行動をとったか、利用いただいた結果どのようにお客様の声や健康面の指標が変化したか。あるいは生産ラインで今まで工数のかかっていた部分が効率化できないか、単純な事務作業を自動化できるのではないか…。当社の関わるバリューチェーン全てにおいて、デジタル活用の恩恵があると感じる社員も多いです。そしてその実現には、社員のデジタルリテラシーの向上と、会社として機会・仕組みを整備することが必要です。

川本:

今後デジタル活用は重要なキーワードとなる一方で、過度の危機感・期待感を持つのではなく、目的達成のための一つの手段として捉えてほしいです。個人的には、意識せずにAIを使っている状況でも正しいと考えています。基礎となる知識を押さえたうえで、自然と必要なツールや仕組みを利用し、さらに効率的で高度な成果を挙げられるよう、改善していけたら良いと考えています。
自然とデジタルに触れる仕組みとして、例えば当社では「GLICODE®(グリコード)」という活動も進めています(https://cp.glico.com/glicode/)。おいしいお菓子を食べながら楽しく遊び、学ぶことができる取り組みであり、AIが当たり前になる世界を生きる子どもたちの成長に寄与したく推進しています。
川本さん
(経営企画部デジタル化推進チーム 川本 佳希様)

社員のレベルに応じた研修を設計

― 社内のデジタル研修は、中期的なロードマップを引かれていると伺っています。どのように進められているのでしょうか

犬伏:

経営戦略実現のためにどのような知識・スキルを持った人財が必要なのか定義し、初級/中級レベル1/中級レベル2/上級の4つのレベルを設定しました。各レベルに学習後に到達してほしい水準を定め、中期的な育成人数の計画を策定し、企画・運用を進めています。中期的な目標は、過半数の社員を「中級レベル1」まで底上げし、デジタル活用で何ができるのかを理解するとともに、自身の業務改善や新たな価値創造を考えられるようになることです。

田中:

社員のデジタルスキルには濃淡があり、Excelなどの操作から学びたい社員もいます。そのため、現在のスキルに応じて段階的にレベルアップしていけるような研修の設計としました。全社的なデジタルリテラシー底上げには「DX講座」や「AIジェネラリスト基礎講座」を活用することで、メンバーから役職者まで「共通言語」を持ち、企画や意思決定の質が向上していくと見込んでいます。

川本:

スキルアップAIの研修では、当社内のコア人財となる中級レベル2/上級の育成にも注力いただいています。コア人財には「機械学習講座」や「ディープラーニング基礎講座」などでスキルを磨くことに加え、「現場で使えるAIプランニング・プロジェクト推進基礎講座」で実際にプロジェクトを推進する際の勘所を実践的に学んでいます。かなりタフな内容ではありますが、スキルと知識の両輪を鍛えることにより、当社内での課題解決をリードできる人財の育成を目指しています。

今後の期待は、学習した知識やスキルを実践につなげること

― 参加した方からはどのようなフィードバックがありましたか

犬伏:

例えば「AIジェネラリスト基礎講座」の受講者からは、「今までブラックボックスだったAIについて、ワークショップを通じて自社での具体的な利用方法がイメージできるようになった」と聞きます。また「現場で使えるAIプランニング・プロジェクト推進基礎講座」の受講者からも「自分でAIの企画やプランニングをした経験が少ないため、プロジェクトの設計や進め方が勉強になった」などとフィードバックいただいています
実務家として、「現場でAIをどう活かしていくのか?具体的にどのように業務を進めるのか?」はもっとも重要な関門だと考えています。プログラミングの研修も実施中であり、具体的な実施例はこれから増加していくと期待しています。

― 受講生を見ていて感じることがあればお聞かせください

竹下:

学習意欲の高い社員が多く、知識はどんどん身に付いていると感じます。その知識を咀嚼し、現場で活かすところまでつなげていくことが今後の課題なのではないかと思います。そのために各部門と連携し、習得した知識を現場で活用できる機会や仕組みづくりといった支援をしていくことが、研修企画側の役割だと考えています。

川本:

現場で使えるAIプランニング・プロジェクト推進基礎講座」の受講者が早くも、実際に自分の施策を改善した事例も生まれています。受講者の有志で集まり、実務相談も交えて学びあう勉強会も継続開催しています。受講者も、その後の業務において小さな変化を感じつつあるはずです。我々は現在の取り組みを改善しながら引き続き推進します。一人ひとりの小さな気付き、積み重ねが大きな変化につながるよう、創造と変革に挑戦する人財育成を進めていきます。

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